レポートは「一気に書く」より「考える時間と書く時間を分離する」のが圧倒的に楽です。
120~180時間の研修を仕事と並行して受けることを考えると、「課題が出てから提出前日まで頑張る方式」をやめて、7日間の固定ルーティンにすることをおすすめします。
おすすめする「7日間レポート法」
例えば、金曜日に課題が出て、翌週金曜日が提出だとします。
| 日 | やること | 時間 | ゴール |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 課題を分解する | 20~30分 | 何を問われているか明確にする |
| 2日目 | 自部署の現状を集める | 30分 | 事実・データを集める |
| 3日目 | 現状→理想→ギャップを整理 | 30分 | 問題を見える化する |
| 4日目 | 原因分析・理論を当てる | 30~45分 | 本質的課題を決める |
| 5日目 | 対策・評価指標を決める | 30分 | 「誰が・何を・どうする」を決める |
| 6日目 | 一気に文章化 | 60~90分 | 初稿完成 |
| 7日目 | 推敲・仕上げ | 30~45分 | 提出できる状態にする |
ポイントは、1日30分程度を基本にして、最後だけ少し長くすることです。
① 1日目は「絶対に書かない」
ここ、かなり重要です。課題を見たら、いきなり、
「はじめに……」
と書き始めない。まず、
「この課題は私に何を要求しているのか?」を分解します。
例えば、
「〇〇について自部署の現状を分析し、課題を明確にし、具体的対策を述べなさい」
なら、
① 〇〇とは何か
② 自部署は現在どうなっているか
③ 本来どうあるべきか
④ 何が問題なのか
⑤ なぜ問題が起きているのか
⑥ 何を課題とするのか
⑦ どう改善するのか
⑧ どう評価するのか
という8個の質問に変換します。これだけで「何を書けばいいのかわからない」がかなり減ります。
② 2日目は「現状収集」
ここでは文章を書きません。ひたすら、「うちの部署では実際どうなっている?」を集めます。
例えば、
- 件数
- 割合
- 年齢
- 人員
- アンケート
- インシデント
- 業務時間
- 病床稼働
- スタッフの声
- 会議記録
- 看護部のデータ
- 自分が経験した具体例 など。そして、
「事実」と「自分の解釈」を分ける
こと。例えば、
事実
退院支援カンファレンスの実施率は○%だった。
解釈
退院支援が担当者任せになっている可能性がある。
この2つを混ぜない。これだけでレポートの説得力が上がります。
③ 3日目は「ギャップ」を見つける
ここで、
現状
↓
本来あるべき姿
↓
差
を考えます。例えば、
現状
退院支援の開始時期が担当者によって異なる。
↓
理想
入院早期から患者の退院後の生活を見据えた支援が開始される。
↓
ギャップ
退院支援開始の基準が統一されていない。
ここまで来ると、レポートの方向性がかなり見えてきます。
④ 4日目が「一番重要」
ここで初めて、
「なぜ?」
を掘ります。例えば、
退院支援開始の基準がない
↓
なぜ?
看護師個人の判断に依存している
↓
なぜ?
標準化されたアセスメント方法がない
↓
なぜ?
病棟として退院支援を管理する仕組みがない
すると、
本質的課題
退院支援を個々の看護師の判断に依存せず、組織として実践する仕組みが構築されていないこと
となります。ここまで来たら、もうレポートの半分は終わっています。
⑤ 理論は「この日にだけ」使う
ここで理論を当てます。例えば、
「この問題は組織変革の問題だな」
と思ったら、LewinやKotterなどを使う。人材育成なら、
「これは成人学習や経験学習の視点が使えそう」
組織文化なら、
「これは組織文化の視点で見ると説明できそう」
という具合です。つまり、理論 → 現場ではなく、現場の謎 → 理論で診断です。
この順番にすると、理論がものすごく楽になります。
⑥ 5日目に「対策」を決める
ここでも、いきなり文章を書かない。まず箇条書きです。例えば、
対策
- 退院支援アセスメント項目を作成
- 入院時に評価
- 対象患者をカンファレンスで共有
- 担当看護師への教育
- 3か月後に実施率を評価
そして、
評価指標
- アセスメント実施率
- 退院支援開始率
- カンファレンス実施率
- スタッフの理解度
などを決めます。
⑦ 6日目に「初めて文章を書く」
ここまで来て初めて文章を書きます。そして、この日は60~90分で一気に書く。
完璧を目指しません。
「初稿は60点でいい」
むしろ、書きながら考えない。これが重要です。
4日目までに考え終わっているので、6日目は組み立てるだけです。
⑧ 7日目は「管理者の目」で読む
最後にチェックします。文章を読みながら、
「これは事実か?」
「これは私の感想か?」
「なぜ?が一段深く掘れているか?」
「個人の問題にしていないか?」
「本質的な組織課題になっているか?」
「対策は具体的か?」
「誰がやるのか書いてあるか?」
「評価指標があるか?」
を確認します。
そして、もう一つ大事なこと
「レポートを書く時間」と「考える時間」を分ける
これをぜひ実践してください。例えば仕事から帰って、20:00~20:30は、
「今日は原因分析だけ」
と決める。文章は書かない。翌日、20:00~20:30に対策を考える。
そして週末に、60~90分で文章化。こうすると、
「仕事から帰って、疲れた頭でいきなり1500字を書く」
という地獄を避けられます。
「毎週この時間」を確保します
サードレベル期間中は、レポートの有無に関係なく、
平日
30分 × 3日
休日
60~90分 × 1回くらいを基本枠にします。つまり、週3時間程度。
レポートがない週は、
- 講義の復習
- 次の課題の資料収集
- 自部署のデータ整理
- 理論の整理
に使います。こうすると、課題が出た瞬間に慌てません。
そして「レポート専用ノート」を1冊作る
これはかなりおすすめです。ノートを7つのページに分けます。
①現状
②理想
③ギャップ
④原因
⑤本質的課題
⑥対策
⑦評価
課題が出たら、この7項目を埋める。文章は最後。
これを繰り返すと、何本もレポートを書くうちに、
「あ、今回もこのパターンだ」
となります。すると最初は吐きそうだったレポートが、
「現状は? → ギャップは? → なぜ? → 課題は? → 対策は?」
という作業になります。
これが「レポートを書く技術が身についた状態」です。
最後に、一番おすすめしたい考え方
研修期間中は、「レポートを完成させる」ことを目標にしないでください。
毎回、
「今回の課題で、自分の病棟について一つ新しいことを発見する」
ことを目標にしてください。
そうすると、レポートが提出物ではなく、自部署を知るための調査になります。
そして最終的には、
現状 → ギャップ → 原因 → 本質的課題 → 対策 → 評価
という「型」が頭の中に入ります。
ここまで来れば、レポートはかなり楽になります。
この7日間方式を「研修受講期間中の自分専用ルール」にしてしまいましょう。
「課題が出たら1日目は考えるだけ。6日目まで文章を書かない」と決めるくらいでちょうどいいです。
さあ、30分間だけ手を動かして!Repo-Go