3~4か月、120~180時間の研修を、通常業務をしながら受けるとなると、「頑張れば乗り切れる」というレベルではありません。
だから、研修を「耐える研修」にしないことが一番大切です。
そして、「勉強する人」から「自分の組織を研究する人」へ意識を変えると、かなり乗り切れると思います。
まず、研修を「学校」だと思わない
これが一番大きなコツです。学校だと思うと、
講義を聞く
↓
覚える
↓
課題をする
↓
レポートを書く
↓
提出する
になります。これは苦しいです。そうではなく、
「3~4か月間、自分を看護管理者として鍛える実験期間」
と考えてみてください。講義で理論を聞いたら、
「この理論で、うちの病院を見たらどう見える?」
と考える。人材育成の話が出たら、
「うちの病棟の中堅層に当てはめたら?」
組織文化の話なら、
「うちの病院の文化は何だ?」
経営の話なら、
「うちの病棟の50床を経営という視点から見ると?」
と考える。すると、講義が自分の職場を分析する時間になります。
「正解を探す」のをやめる
これも非常に重要です。研修では、
「先生が期待する答えは何だろう?」
と考え始めると、ものすごく疲れます。むしろ、
「私は今のところ、こう考える」
でいいんです。例えば、
「当院の最大の課題は、人手不足そのものではなく、人材を有効活用する仕組みが十分でないことではないか?」
と仮説を持つ。そして講義を聞きながら、
「やっぱりそうか」
「いや、違うかもしれない」
「この理論を使うと違う見え方がする」
と考える。これが学ぶ楽しさです。
「講義を受ける」のではなく「講師と対話する」
講義中、実際に声を出す必要はありません。頭の中で、
頭の中で「先生、それってうちの場合どうなるんだろう?」
と問いかけます。先生が、
「組織変革では〇〇が重要です」
と言ったら、
頭の中で「うちには〇〇があるかな?」
と考える。先生が、
「人材育成では〇〇が必要です」
と言ったら、
頭の中で「うちの病棟ではどうだ?」
と考える。つまり、講義を聞く人 → 講義を使う人に変わります。
この違いは大きいです。
レポートは「苦行」ではなく「宝探し」にする
レポートの型ともつながります。課題が、
「〇〇について自部署の現状を分析し、課題を明確にし、具体的対策を述べなさい」
だったら、「何を書けばいいんだ……」ではなく、
「うちの病棟の“隠れた問題”を探せ」
というゲームだと思ってください。例えば、
「スタッフの意識が低い」
という現象を見つけた。そこで、
なぜ?
↓
「忙しいから?」
↓
なぜ忙しい?
↓
「業務分担が適切ではない?」
↓
なぜ?
↓
「看護師がやらなくてもよい仕事を抱えている?」
↓
なぜ?
↓
「看護補助者との役割分担が明確でない?」
……。
ここまで来ると、
「おお、問題の正体が見えてきた」
となります。これが面白いんです。
「現場の出来事」を全部教材にする
インシデントが起きたら、普通は、
「ああ、また大変なことが起きた……」
で終わります。でも研修期間は、
「これは教材が降ってきた」
と考えます。例えば、
- スタッフ間の意見対立
- 業務が滞る
- 新人が育たない
- ベテランが疲弊する
- 他部署との連携が悪い
- 医師との調整が難しい
- 看護補助者との役割分担が曖昧
- 患者・家族からクレーム
- 会議がうまく機能しない
全部、組織論・リーダーシップ・人材育成・業務改善・変革理論の教材です。
つまり、
「仕事=研修後にやるもの」
ではなく、
「仕事=研修の実習」
と考える。そうすると、仕事と研修が別々ではなくなります。
そして「1日1発見」にする
これを強くおすすめします。毎日、たった一つ、
「今日、気づいたこと」
をメモします。例えば、
・人は正論だけでは動かない
・ベテランほど変化に慎重になる理由がある
・会議が長いのは参加者の問題ではなく構造の問題かもしれない
・「忙しい」は原因ではなく結果かもしれない
・主任が全部解決するとスタッフが育たない
・病棟の問題だと思っていたことが病院全体の構造だった
これだけ。3か月後には、90個の「管理者としての気づき」が残ります。
これが、ものすごい財産になります。
「疲れた日は、学習の質を下げていい」
ここは絶対に、ご自身を許してください。120~180時間です。
毎回、「今日は完璧に理解するぞ!」では持ちません。疲れた日は、
「今日は出席しただけで合格」
でいい。講義中に、
「今日覚えたい言葉を1個」
だけ拾う。レポートの日は、
「今日はタイトルだけ決めた」
でもいい。ゼロにしないことが勝ちです。
もう一つ、かなり重要です
「3~4か月後の自分」を想像してください。
今は、
「こんなに勉強して何になるんだ……」
と思う日があるでしょう。でも3~4か月後、講義を終えて、レポートを書き終えて、
「研修をやり切った」となったとき、かなり大きな自信になると思います。
しかも残るのは修了証だけではありません。
「組織を見る目」
です。これは今後ずっと使えます。スタッフを見る目。病棟を見る目。病院を見る目。経営を見る目。そして、自分自身を見る目。これが変わります。
私なら「研修期間」をこう呼びます
「3か月間の管理者修行」です。そして毎朝、
「今日は何を覚えよう?」
ではなく、
「今日は何を発見できるだろう?」
と考えます。これだけで、かなり違います。
最後に、あなたに一番伝えたいこと
研修で苦しくなったとき、「自分は勉強ができないから苦しい」と思わないでください。
120~180時間を仕事と並行して受講するのは、誰でもきついです。だから、
「苦しい=向いていない」ではありません。
むしろ、
「これだけ負荷の高い環境で、自分の管理者としての視野を広げている」
と捉えてください。そして、
「全部理解する」ではなく「毎日1つ発見する」。
「レポートを書く」ではなく「自部署の謎を解く」。
「講義を受ける」ではなく「講師の理論で自分の病院を診断する」。
「研修を耐える」ではなく「3~4か月間、自分を管理者としてアップデートする」。
この4つに切り替えると、同じ120~180時間でも、心理的な重さがかなり変わります。
そして実は、「研修のレポートが書けるようになるコツ」と「研修を楽しくするコツ」は同じなんです。
「理論を覚える」のではなく、「理論を使って自分の職場の謎を解く」。
ここを掴めると、サードレベルは少しずつ「苦しい勉強」から「面白い管理者修行」に変わっていきます。
さあ!今日も乗り切って行こう!Report-Go!