委員会活動とチームビルディングはかなり違います。
ただし、委員会活動の中にチームビルディングが含まれることはあります。
一番簡単に言うと、
委員会活動=「何をするか」という仕組み
チームビルディング=「どうやってチームとして機能するか」という人と関係性の仕組み
です。
比較すると分かりやすいです
| 委員会活動 | チームビルディング | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 特定の課題を検討・改善する | チームとして成果を出せる状態をつくる |
| メンバー | 任命・所属によって決まる | 必要に応じて関係者を巻き込む |
| 活動 | 会議、検討、計画、実施、評価 | 相互理解、信頼、役割理解、協働 |
| ゴール | 「○○を改善した」 | 「このメンバーなら協働できる」 |
| 成果 | 業務・患者アウトカムなど | 協働力・主体性・心理的安全性など |
| 活動期間 | 年度・委員会単位になりやすい | 継続的に形成される |
例えば「転倒転落防止委員会」を考えてみましょう。
委員会では、
「転倒件数を10%減らしましょう」
↓
現状分析
↓
原因分析
↓
対策立案
↓
実施
↓
評価
という活動をします。これは委員会活動です。
ところが、その過程で、
「Aさんはデータ分析が得意だからお願いしよう」
「Bさんは現場の意見を聞くのが上手」
「看護補助者から見ると、夜間のこの部分が問題らしい」
「師長には言いにくいことも、このメンバーなら言える」
「自分の部署だけではなく、みんなで転倒を減らそう」
という状態ができてくる。これがチームビルディングです。
さらに重要なのは「委員会=チーム」ではないこと
ここが看護管理では結構重要です。
例えば、
「医療安全委員会」という組織はある。
毎月会議もしている。
議事録もある。
役割分担もある。
でも、
- 発言するのはいつも同じ人
- 「師長が言うからやる」
- 他部署のことには関心がない
- 問題が起きると責任の押し付け合い
- 「それはうちの部署の仕事ではない」
- 会議では賛成するが現場では動かない
だったら、委員会は存在していても、チームとしては機能していないわけです。
逆に、
「この問題は私たち全員の問題だ」
「それぞれの立場から意見を出そう」
「失敗しても責めないから試してみよう」
「困ったら助け合おう」
という状態なら、チームビルディングができている。
看護管理者の視点では、ここが面白いのです
実は、
委員会を作ればチームができるわけではありません。
むしろ、
委員会という「箱」を作った後に、その箱を「チーム」に変えていく作業
がチームビルディングだと考えると分かりやすいです。
例えば、
医療安全委員会
↓
「転倒を減らす」という共通目標
↓
メンバーがお互いの専門性を理解
↓
意見を言える
↓
役割を引き受ける
↓
部署を越えて協力する
↓
チームとして転倒を減らす
という流れです。
そして、これは「QCサークル」とも違います
ここまで整理すると、
委員会
= 組織から与えられた役割・課題を担う場
QCサークル
= 現場メンバーが主体的に問題解決する小集団活動
チームビルディング
= その人たちが「チームとして力を発揮できる状態」をつくるプロセス
と考えると、かなり整理できます。
そして私は、看護管理では「チームビルディング」を単独として考えるより、委員会活動・QC活動・多職種協働・新人教育などに組み込んで考える方が実践的だと思います。
特に病棟主任という立場なら、「委員会を運営する」から「委員会をチームに育てる」へ視点を変えると、かなり看護管理らしいマネジメントになります。