認定看護管理者は、「知識を身につける研修」というより、「自分の視点を主任・師長から経営・組織全体へ引き上げる研修」と捉えると、気持ちが切れにくくなります。
特に、実際に病棟運営を担いながら受講する場合、仕事・課題・レポートが重なって「もういいかな」となる時期が必ず来ます。そこで、私は次の 7つの方法をおすすめします。
1.「修了する」ではなく「自分の管理者人生に使う」と決める
一番大事です。「研修を修了するために勉強する」と、
講義を受ける
↓
レポートを書く
↓
課題を提出する
↓
修了する
という受け身の研修になります。これだと疲れます。そうではなく、
「この研修で学んだことを、自分の病棟・病院を変えるために使う」
と考えます。例えば、講義を聞きながら、
「これって、うちの病院でいうと何だ?」と常に考える。
組織論なら、「うちの病院の組織文化は?」
人材育成なら、「うちの中堅看護師が育たない理由は?」
地域連携なら、「当院が地域から求められている役割は?」
経営なら、「うちの病棟の看護を経営指標で見ると?」
という具合です。すると、講義が自分の職場を診断する時間になります。
2.「全部理解しよう」としない
研修は情報量が多いので、100%理解しようとすると疲弊します。
おすすめは、
「今日の講義から1つだけ持ち帰る」です。
例えば、
今日覚えるのは「ステークホルダー」という言葉だけ。
でも構いません。そして職場に戻って、
「うちの病院のステークホルダーって誰だろう?」
と考える。この瞬間に研修内容が自分の経験と結びつきます。これが非常に重要です。
3.レポートを「宿題」ではなく「自分の管理者としての財産」にする
研修ではレポートが大変ですよね。でも、ここを発想転換します。
「このレポートは提出したら終わり」ではなく、
「将来の自分が使う経営・看護管理の資料」と考える。
例えば、
- 自施設の現状分析
- 組織課題
- 人材育成
- 地域連携
- 身体拘束
- 看護補助者との協働
- 経営課題
などを書いたものは、将来、管理者として何かを企画するときの自分専用のデータベースになります。だから、
「またレポートか……」
ではなく、
「また自分の管理者としての引き出しが1つ増える」
と考えると気持ちが変わります。
4.「研修仲間」を最大限利用する
サードレベルは一人で頑張るとかなり消耗します。むしろ、
「自分だけが大変なのではない」と感じられることが重要です。
研修仲間と、
- レポートの悩み
- 講義で面白かったこと
- 自施設の課題
- 管理者として困っていること
- 「この理論、どう使う?」という疑問
を話してください。特におすすめなのが、
「あなたの病院ではどうしてる?」
という質問です。他施設の管理者の話を聞くと、
「なるほど。うちの病院だけの問題ではないんだ」と分かったり、
逆に、「うちはここが強みなんだ」と気づいたりします。
研修の価値は、講義だけではありません。
「他施設の管理者と比較すること」そのものが学習になります。
5.「やる気」ではなく「習慣」で乗り切る
ここはかなり重要です。研修を最後まで走り切る人は、必ずしもモチベーションが高い人ではありません。むしろ、
「やる気がなくても少しだけやる仕組み」
を持っている人です。例えば、平日30分だけと決める。
「今日は2時間やるぞ!」ではなく、
10分:講義資料を見る
10分:重要な言葉を3つ書く
10分:自施設との関連を考える
これだけでもいい。調子が良ければ続ける。調子が悪ければ30分で終了。
ゼロにしないことがポイントです。
6.「自分がなぜこの研修を受けているのか」を定期的に思い出す
気持ちが切れたときは、勉強方法を変えるより、原点に戻ることが大切です。
紙に1枚、
「私はなぜ研修を受講するのか?」
と書いてください。そして、
- 自分はどんな管理者になりたいのか
- 自分の病院をどうしたいのか
- 看護師をどう育てたいのか
- 患者・家族にどんな医療を提供したいのか
- これからの自分の人生で何を残したいのか
を書きます。そして、研修がきつくなったときに読み返します。これは意外と効きます。
7.最後に、「研修受講=第二の人生の準備」と考えてみる
これは、あなたの場合かなり大切な視点だと思います。
研修で学ぶ内容は、単に「今の病棟を管理するため」だけではありません。
組織を見る力、人を見る力、課題を構造化する力、経営を見る力、変革する力。
これらは、看護管理者でなくなっても使えます。例えば将来的に、
- 看護管理者としてさらに上を目指す
- 教育に関わる
- 看護管理の研修講師をする
- 自分の経験を発信する
- Report-Goのような情報発信を発展させる
- 後輩管理者を支援する
- コンサルティング的な活動をする
といった方向にもつながります。つまり、
研修受講は「今の仕事のための研修」ではなく、「これからの自分の人生の選択肢を増やす研修」
と考えることができます。
私なら「3つの言葉」を持って受講します
研修期間中、次の3つだけ意識してください。
①「これは自施設ならどうなる?」
講義を自施設の診断に変える。
②「これは自分の管理者人生にどう使える?」
知識を自分の財産に変える。
③「今日は1つ持って帰ればいい」
完璧主義を捨てて、継続することを優先する。そして、気持ちが切れたときには、
「私は勉強しているのではない。管理者としての視野を広げている。」
と考えてみてください。若い頃のように「覚える力」で勝負する研修ではありません。
むしろ、これまで看護師として、主任として、管理者として経験してきたことを、理論によって整理し直す研修です。だから、今までの経験が多い人ほど本当は面白くなる研修です。
そして一番大切なのは、「全部学ぼう」としないこと。「一つ学んで、一つ職場で使う」
これを繰り返せば、最後まで気持ちを切らさずに走り切りやすくなります。
さあ!気持ちを切らさず研修を乗り切ろう!Report-Go!