科学が証明した効果的な学習法「アクティブリコール(Active Recall)」知ってる?
「アクティブリコール(Active Recall)」は、記憶を定着させるために非常に効果的な学習法として、世界中の学習者に注目されています。以下で詳しく説明します。
🔍 アクティブリコールとは?
アクティブリコール(能動的想起)は、「覚えた内容を自力で思い出すこと」によって、記憶をより強化し、長期的に保持するための学習方法です。
たとえば、教科書を何度も読むのではなく、「読む→思い出す→確認する」という流れを繰り返すのが基本です。
🧠 なぜ効果があるの?
1. エビングハウスの忘却曲線
教科書やテキストを何度も読んだり、ノートに書き写したり、マーカーペンで強調して、勉強できたと思っても、時間の経過とともに忘れてしまうのは仕方のないことです。なぜなら…
エビングハウスの忘却曲線とは?
◉ 定義
ドイツの心理学者 ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus) が1885年に発表した実験に基づき、人間の記憶は時間とともに急激に忘れられていくことを示した理論です。つまり、どのくらいの時間が経過するとどのくらい忘れてしまうかを調べました。
⏳ 忘却の進行(数字で見る)
経過時間 | 記憶の残存率(約) | 説明 |
---|---|---|
20分後 | 約58% | 42%はすでに忘れている |
1時間後 | 約44% | 半分以上忘れる |
1日後 | 約34% | 約3分の2が消失 |
1週間後 | 約21% | ほとんど思い出せない |
1ヶ月後 | 約20% | 長期記憶化していないとほぼ消失 |
2. 想起の努力が記憶を強化する
そこで、時間が経つほど記憶は失われますが、「思い出す」という行動を繰り返すことで、忘却を防ぐことができます。答えを「見て覚える」より、「考えて思い出す」方が脳が活性化し、記憶に定着しやすくなります。
✅ 実践方法
方法①:クイズ形式にする
自分に質問を出して、答えを思い出すようにします。
例えば…
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Q: ナイチンゲールの看護理論の中心概念は?
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A: 環境を整えることで自然治癒力を高める
方法②:教科書を閉じて思い出す
1ページ読んだら教科書を閉じ、「今読んだ内容を言葉で説明できるか」を確認します。
方法③:フラッシュカード(例:Anki)
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表に「質問」、裏に「答え」を書いたカードを使い、覚えたか確認します。
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アプリなら「Anki」や「Quizlet」などが人気です。
方法④:自分でテストを作る
学んだ内容をもとに、自分で小テストを作成し、後日解く。
⏰ 効果的なタイミング(分散学習と組み合わせる)
アクティブリコールは、繰り返し行うことが重要です。
特に「間隔を空けて復習する=分散学習(Spaced Repetition)」と組み合わせることで、記憶の定着がさらに高まります。
復習のタイミング例:
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1回目:学習直後
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2回目:翌日
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3回目:3日後
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4回目:1週間後
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5回目:1ヶ月後
✏️ 看護師・医療職におすすめの活用方法
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国試対策:過去問を使って、答えを隠しながら自力で解答する
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研修復習:研修後に「この内容を誰かに説明できるか」を確認する
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実践力向上:業務で学んだ内容を自分にクイズ形式で復習
📌まとめ
特徴 | 内容 |
---|---|
方法 | 自分で思い出す練習をする |
例 | クイズ、フラッシュカード、テスト形式 |
効果 | 記憶の定着率が大幅に向上 |
推奨ツール | Anki、Quizlet、紙の単語帳 |
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