■ 前提:なぜ中堅層を「引き上げる」ことが重要なのか?
-
中堅層(60%)は最も人数が多く、周囲への影響力が大きい
-
上位層のように自律的ではないが、環境や働きかけによって行動が変化する層
-
この層を引き上げれば、組織全体の底上げにつながる
【STEP 1】上位層(2割)を活用し、よい影響を見せる
● 目的:
中堅層は「周囲の動き」に敏感なため、上位層をロールモデルとして見せる
● 具体策:
-
上位層にリーダーシップを任せ、「見える形」で成果を出してもらう
-
事例発表・委員会報告・感謝カードなどを活用し、行動を可視化・共有
● ポイント:
「あの人がやってるから、私もやってみようかな」という空気をつくる
【STEP 2】中堅層に「小さな成功体験」を設計する
● 目的:
中堅層は「自信の有無」が行動に大きく影響する
● 具体策:
-
日常業務の中に“任せられる”タスクを細分化して提供
-
例:転倒防止のラウンドリーダー、せん妄対策シートの改善案など
-
-
成果は小さくても「あなたの取り組みが役に立った」と言葉でフィードバック
● ポイント:
「できた」「認められた」という積み重ねが、意欲と行動を引き上げる
【STEP 3】役割の「意味づけ」を行う
● 目的:
中堅層は“なぜそれをやるのか”が納得できると動きやすい
● 具体策:
-
任せた仕事に、「組織にどう役立つのか」「あなたがやる価値がある」ことを伝える
-
上位層からも「ありがとう」「頼りになる」などのメッセージを添える
● ポイント:
「作業」ではなく「意味のある役割」と感じさせる
【STEP 4】中堅層同士をつなげて“共感の場”をつくる
● 目的:
中堅層は「孤立」や「共感不足」で意欲を失いやすい
● 具体策:
-
中堅層だけの意見交換会、事例共有のミニミーティングを開催(15分でも可)
-
「うちの〇〇さん、頑張ってたよ」と他者を認め合う文化をつくる
● ポイント:
「私たちも組織をつくっている仲間」という一体感が、行動の継続を生む
【STEP 5】引き上がった中堅層に“次のチャンス”を用意する
● 目的:
成長の手応えがあっても、次の機会がないと意欲は低下する
● 具体策:
-
次年度のリーダー候補・教育係・委員長補佐などへの登用
-
認定看護師、研修会の参加などキャリア支援の提案
● ポイント:
「もっとできるかもしれない」と感じられる未来設計を支援する
📌 まとめ:262の法則 × 中堅育成は“引き上げ設計”がカギ
フェーズ | ねらい | 管理者の戦略 |
---|---|---|
上位層活用 | 良い影響を可視化 | ロールモデルの行動を見せる |
小さな成功 | 自信を育てる | 成功体験を積ませて褒める |
意味づけ | 納得して動く | 仕事の価値を言語化 |
共感の場 | 孤立を防ぐ | 同じ立場で共に話せる場をつくる |
次の機会 | 継続意欲の保持 | 成長の機会と役割を与える |
中堅層看護師の育成に活かせていただけたら、幸いです。