テーマ:電子カルテの利便性と情報のプライバシー保護の問題について
Ⅰ.序論
近年、医療現場において電子カルテの導入が進み、情報の共有や効率的な記録管理が可能となった。一方で、利便性の向上と同時に、情報セキュリティや個人情報保護の観点から新たな課題が生じている。看護師は日常的に患者の個人情報に触れる職種であり、情報リテラシーの向上は専門職としての責務である。
Ⅱ.本論
1.現状と気づき
私が勤務する病院では、電子カルテは職員であれば基本的にいつでも誰でもアクセスできる仕組みとなっている。これは患者情報の即時共有という観点から利便性が高い。しかしその反面、患者が病院職員である場合にも同様にアクセスが可能であり、個人情報が過度に閲覧される危険があると感じた。
実際に、当院の理事長が入院した際、通常の患者のカルテは1日平均約100件のアクセスであるのに対し、理事長のカルテはその約10倍のアクセスが確認された。これは診療上の必要以上に、多くの職員が興味本位で閲覧していた可能性を示唆している。この事実から、私は「電子カルテの利便性」と「情報のプライバシー保護」のバランスに問題意識を持つようになった。
2.課題(問題)
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電子カルテのアクセス範囲が広すぎることによる 情報漏洩リスク
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職員が患者となった場合の プライバシー侵害の可能性
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情報リテラシー教育の不足による 倫理観の低下
3.解決策・改善策
私は、以下のような対応が必要であると考える。
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アクセス権限の設定
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診療に直接関与する職員のみが閲覧できるよう制限する
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特定の患者に対してはアクセスログを強化し、定期的に監査を行う
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情報リテラシー教育の徹底
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個人情報保護の重要性を繰り返し研修で取り上げる
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実際の事例をもとに「興味本位での閲覧」が患者・病院双方に及ぼす影響を周知する
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組織的なモニタリング体制の整備
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アクセスログを自動的に監視し、不必要な閲覧を検知するシステムを導入する
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発覚した場合には厳正に対処する仕組みを明文化する
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Ⅲ.結論
電子カルテは医療の効率化に大きく貢献する一方で、患者のプライバシーを侵害する危険性も孕んでいる。特に職員が患者となった場合、情報への不適切なアクセスが行われる可能性は現実的な問題である。看護師として私は、単に情報を扱う立場にとどまらず、患者の尊厳を守る責任を担っていることを改めて認識した。
今後は、アクセス権限の明確化と情報リテラシー教育の充実を通して、患者が安心して医療を受けられる環境づくりに貢献していきたい。
情報リテラシーの課題レポートについて書いてみました。この内容に自部署の問題を加筆して書いてみてくださいね。
さあ!Report-Go!